2021年5月8日土曜日

彼の唯一の希望は、神の憐れみにすがることであった。彼の唯一の防備は、祈りでなければならなかった。

 「ヤコブは、エサウに与えられることになっていた父の祝福を欺瞞によって得たために、兄の恐ろしい脅迫におびえて、命からがら逃げ出したのであった。彼は、長年の流浪の生活のあとで、神の命令によって、妻子と家畜を連れて故郷へと出発した。国境についた時、彼は、エサウが勇士の一隊を率いて近づいているという知らせを受けて、恐怖に満たされた。エサウが復讐の念に燃えていることは、疑う余地がなかった。ヤコブの一族は、武装も防備もないので、今にも暴力と虐殺の無力な犠牲になるかと思われた。ヤコブは不安と恐怖に襲われた上に、重苦しい自責の念にかられた。というのは、このような危険をもたらしたのは、彼自身の罪であったからである。彼の唯一の希望は、神の憐れみにすがることであった。彼の唯一の防備は、祈りでなければならなかった。しかもなお、彼は、兄に対して行った罪悪の償いのためと、切迫した危険を避けるために、自分としてできることはすべてなしたのである。そのように、キリスト者も、悩みの時に近づくにつれて、人々の前で自分たちの立場を明らかにし、偏見を取り去り、そして良心の自由を脅かす危険を避けるために、全力を尽くさなければならない。」各時代の大争闘 ヤコブの悩みの時


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