それまでエルサレムは、主の保護の下にある子供であった。やさしい父親がわがままな息子のことを嘆くように、イエスは愛する都について泣かれた。どうしてわたしはあなたをあきらめることができよう。あなたが破壊されるままになるのをどうして見ていられよう。あなたが不義のさかずきを満たすのをそのままにしておかねばならないのか。1つの魂は、それにくらべればもろもろの世界もとるにたりないものとなるほど価値があるのに、ここに全国民が滅びようとしている。急速に西に沈む太陽が天から姿を消せば、エルサレムの恵みの日は終わるのであった。行列がオリブ山のはしにたちどまっている間に、エルサレムが悔い改めてもまだ遅すぎないのであった。恵みの天使はその時まさに翼をたたんで、正義と急速にのぞみつつあるさばきに座をゆずるために、黄金の座からおりようとしていた。しかしキリストの大いなる愛の心は、ご自分のなさけをあざけり、その警告を軽んじ、まさに主の血に手を染めようとしていたエルサレムのためにまだ弁護していた。もしエルサレムが悔い改めさえすれば、まだ手おくれではなかった。沈んで行く太陽の最後の光が宮と塔と、尖塔のあたりにまだ消えやらないでいるうちに、誰かよい天使がエルサレムを救い主の愛にみちびいて、滅びの運命を避けさせないであろうか。預言者たちを石で打ち、神のみ子をこばみ、その頑固さのために束縛の足かせに身をしばっている美しくそしてけがれた都。その恵みの日はほとんど暮れかけていた。 各時代の希望 第63章 「あなたの王がおいでになる」
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