火の嵐は、あとわずかしか延ばせないから急ぐようにという厳粛な命令がふたたび与えられた。しかし、避難者の1人が、ふり向いて滅びの町を見たために、神の刑罰の記念碑になった。もし、ロトが、ためらうことなく天使の警告に従い、嘆願や抗議をしないでけんめいに山地をさして逃げていたならば、彼の妻ものがれたことであろう。ロトは、彼自身の模範によって、彼女を罪と滅びから救うことができたのであった。しかし、彼のためらいと遅延が、彼女に神の警告を軽視させた。彼女のからだは平原に来ていたが、彼女の心はソドムに執着していて、それとともに滅びた。彼女は、持ち物や子供たちまでが神の刑罰にのまれてしまうので、神に反逆の精神をいだいた。彼女は罪悪の町から救い出されて人きな恵みをこうむったが、長年かかって蓄積した富を、そのまま残して灰にしなければならないことを、きびしい取り扱いだと感じた。彼女は、救いを感謝して受けるかわりに、神の警告を拒んだ人々の生活をしたって、あえて後ろを振り向いた。彼女の罪は、彼女が生きる価値を持っていないことを示した。彼女は、助けられていることになんの感謝もあらわさなかった。
人類のあけぼの 第14章 ソドムの滅亡
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