2016年11月10日木曜日

「モーセの指導力が確信を引き起こした」

「そしてわれわれは身をめぐらして、バシャンの道を上って行ったが、バシャンの王オグは、われわれを迎え撃とうとして、その民をことごとく率い、出てきてエデレイで戦った。時に主はわたしに言われた、『彼を恐れてはならない。わたしは彼と、そのすべての民と、その地をおまえの手に渡している。……』。こうしてわれわれの神、主はバシャンの王オグと、そのすべての民を、われわれの手に渡されたので、われわれはこれを撃ち殺して、ひとりをも残さなかった。」(申命記3:1~3)

 彼らの前には、強力で人口も多いバシャン王国があった。……家々は巨大な黒い石で造られ、その時代にそれを攻めるために用いられたどんな武力に対しても絶対に動かされないほどの巨大なものであった。その国土は、天然の洞穴、大絶壁、大きく開いた裂け目、岩の要塞にみちていた。この国の住民は、巨人族の子孫であって、驚くほど大きく、力が強かった。また、暴力と残酷さは、はなはだしく、周囲のすべての国々から恐れられていた。国王オグは、巨人の国においてさえ、体格と武勇にきわだった存在であった。
 しかし、雲の柱は前へ進んだ。その導きに従ってヘブルの軍勢はエデレイに進んだ。そこに巨人の王は、軍勢を従えて彼らの近づくのを待っていた。オグは巧妙に戦いの場所を選んだ。エデレイの町は平原が急に高くなった高地のはずれにあって、でこぼこの火山岩でおおわれていた。そこに登るには、狭い曲がりくねった登りにくい道があるだけであった。……
 ヘブル人が、その軍勢の中でもきわ立つ巨人中の巨人の雄姿を見、また、彼をとりまく軍勢を見、背後に幾千の軍勢をひかえた、一見、難攻不落のようなとりでを見たとき、イスラエルの多数のものの心は恐れで動揺した。しかし、モーセは冷静で落ちついていた。それは、主がバシャンの王についてこう言われたからである。「彼を恐れてはならない。わたしは彼と、そのすべての民と、その地をおまえの手に渡している。おまえはヘシボンに住んでいたアモリびとの王シホンにしたように、彼にするであろう。」
 指導者の冷静な信仰は民の心に神に対する確信をいだかせた。彼らは、主の全能のみ腕にすべてをゆだねた。そして主は彼らを見捨てられなかった。強力な巨人も、城壁のある町々も、武装した軍勢も、岩のとりでも、主の軍勢の将の前に立つことはできなかった。主は、軍を導かれた。主は、敵を散らされた。主は、イスラエルに勝利をもたらされた。巨人の王とその軍勢は敗北した。イスラエル人は、まもなく、その全土を手中におさめた。……
 バシャンの軍勢は、雲の柱の中に秘められた不思議な力の前に降伏し……た。(人類のあけぼの下巻40~44)
 どのように恐ろしく見え、心を恐怖で満たすような困難でも、けんそんに、神に信頼して服従の道を前進するときに消え去るのである。(同上43)

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