2021年6月6日日曜日

7人の執事の1人ピリポ

 7人の執事の1人ピリポも、エルサレムから追われた者の中に入っていた。ピリポは「サマリヤの町に下って行き、人々にキリストを宣べはじめた。群衆はピリポの話を聞き、その行っていたしるしを見て、こぞって彼の語ることに耳を傾けた。汚れた霊につかれた多くの人々からは、その霊が……出て行くし、また、 多くの中風をわずらっている者や、足のきかない者がいやされたからである。それで、この町では人々が、大変なよろこびかたであった」。  

 ヤコブの井戸のほとりで、キリストがサマリヤの女にお語りになった使命はすでに実を結んでいた。女は主のみことばを聞くと、町の人々のところへ行って、「わたしのしたことを何もかも、言いあてた人がいます。さあ、見にきてごらんなさい。もしかしたら、この人がキリストかも知れません」と言った。人々は彼女について行き、イエスのみことばを聞いて、主を信じた。彼らはもっと聞きたいと願い、主に滞在していただきたいと願った。主は彼らと共に2日間過ごされて、「なお多くの人々が、イエスの言葉を聞いて信じた」(ヨハネ4:29、41)。 

エルサレムから追われた弟子たちの中には、サマリヤに安全な避難所を見いだした者もいた。これらの福音の使者たちをサマリヤ人は喜んで迎え、ユダヤの改宗者たちは、かつては大敵であった人々の中から尊い収穫を集めた。 

 サマリヤにおけるピリポの働きは非常な成功をおさめ、これに励まされた彼はエルサレムに援助を求めた。使徒たちは「エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地のはてまで、わたしの証人となるであろう」と言われたキリストのみことばの意味が、いまこそ十分にわかるようになった(使徒行伝1:8)。  

ピリポがまだサマリヤにいたとき、「南方に行き、エルサレムからガザへ下る道に出なさい」と天の使いに命じられた。「そこで、彼は立って出かけた」。彼は神のみ旨に応じる教訓を学んでいたから、その召しを疑ったり、従うのを躊躇したりしなかった。  

 「すると、ちょうど、エチオピヤ人の女王カンダケの高官で、女王の財宝全部を管理していた宦官であるエチオピヤ人が、礼拝のためエルサレムに上り、その帰途についていたところであった。彼は自分の馬車に乗って、預言者イザヤの書を読んでいた」。このエチオピヤ人は名声の高い、有力な人であった。神は、彼が改心したら、自分の受けた光を人に分かち、福音のために大きな感化を及ぼすことをごぞんじであった。神の天使たちが、光を求めるこの求道者に付き添っていたので、彼は救い主へ引きよせられていった。聖霊の働きにより、神はこのエチオピヤ人を、光へ導くことのできる人と接するよう導かれた。  

 ピリポはエチオピヤ人のところに行って、彼が読んでいる預言を説明してやるように命じられた。「進み寄って、あの馬車に並んで行きなさい」とみ霊が言った。ピリポは宦官に近づいて「『あなたは、読んでいることが、おわかりですか』と尋ねた。彼は『だれかが、手びきをしてくれなければ、どうしてわかりましょう』と答えた。そして、馬車に乗って一緒にすわるようにと、ピリポにすすめた」。彼が読んでいた聖書の箇所は、キリストに関するイザヤの預言であった。「彼は、ほふり場に引かれて行く羊のように、また、黙々として、毛を刈る者の前に立つ小羊のように、口を開かない。彼は、いやしめられて、そのさばきも行われなかった。だれが、彼の子孫のことを語ることができようか、彼の命が地上から取り去られているからには」。  

 「お尋ねしますが、ここで預言者はだれのことを言っているのですか。自分のことですか、それとも、だれかほかの人のことですか」と宦官が尋ねた。そこでピリポは救いの偉大なる真理を彼に示し、同じ聖句から説き起こして、「イエスのことを宣べ伝えた」。 

  聖書の説明が進むにつれて、宦官の心にますます興味がわいてきて、ピリポが話し終わったときには、宦官は与えられた真理を受け入れる気持ちになっていた。彼は自分の社会的な高い地位を理由に、福音を拒むようなことはしなかった。「道を進んで行くうちに、水のある所にきたので、宦官が言った、『ここに水があります。わたしがバプテスマを受けるのに、なんのさしつかえがありますか』。これに対して、ピリポは、『あなたがまごころから信じるなら、受けてさしつかえはありません』と言った。すると、彼は『わたしは、イエス・キリストを神の子と信じます』と答えた。そこで車をとめさせ、ピリポと宦官と、ふたりとも、水の中に降りて行き、ピリポが宦官にバプテスマを授けた。

艱難から栄光へ 第11章 へだての壁を越えて

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